この映画はとある元カメラ変態の教訓である。それ以上でもそれ以下でもない。
如何にも馬鹿共が鵜呑みにしそうなロマン。
然れどそのロマンは常に立体を描く可能性を秘めている。
とは言え、これを皮肉的に晒すバンクシーの意図を前にニヤケを抑えて見進めるなど不可避の速攻、相撲取りが百式観音を目隠しで避けるようなものだ。
経営戦略にも様々な手口があって、このミュージアム(笑)では圧倒的インフルエンサーの宣伝によりアホマニアの審美眼を見事なまでに麻痺させるのだが、この一連の流れを見るとやはり「アートは洗脳だ」という表現は一先ず相応しいのか。
近年、SNSや広告ってのは最もマルチで広範囲に浸透しやすい営業の一環になりつつあるけど、
やはり利用できるものは上手く利用して賢く生きていきたいものだ、度を超えて晒されない程度には。