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デイブレイカーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

デイブレイカー(2009年製作の映画)
3.5
CAPTURE HUMANS 人間と吸血鬼の共生、既視感の覚えるテーマだけど一味違う。「誰もが飢えている」人類絶滅危惧種?ヴァンパイアが主体・支配層の世界を舞台に作中の時代背景ばかりか本作の製作年すら曖昧な雰囲気のある映像、黄色い目や尖った歯。このSFはダークでショッキング、オリジナリティーのあるスリルに満ちている。ない場所からスリリングさを生む過程・作業って本当に凄いと思う。サブサイダーは本気で気味悪いし怖い最悪版コウモリ。何よりライオネル・コーマック、通称エルビスが癖の強い名優ウィレム・デフォーの当たり役で、随所で粋なセリフを聞かせてくれるし、いると謎の安心感も。「人間になりた~い」画面の統一された青白い色調も相俟ってか常に嫌な予感がする、何か起こりそうな暗い雰囲気が付き纏う。そんな中、変化球な逃避行が繰り広げられていく、エド(イーサン・ホーク)と同じで何を信じれば良いのかも分からぬまま。吸血鬼のときと人間のときの見た目の差異の出し方も見事。ヴァンパイアもビジネスを考えるし隠蔽もするし、結局それが大事だと教えてくれる(SF作品でよく見る、一企業が社会を支配する構造いわゆるコーポレートソサエティ?)。衝撃の終盤は欲望丸出しの連鎖反応による地獄絵図。自主映画を撮る大学生が失禁しそうなほど血糊祭り。本作が優れた映画かは分からないけど少なくともボクは見ることを止めることができなかった。
スピエリッグ兄弟の作品っていつもダサカッコいい、チープスタイリッシュ。そしてどこかで見たことのあるような設定とかを自分達らしく掘り下げて、ユニークで捻れたモノに仕上げる驚異のスマートさには素直に舌を巻く。斬新な切り口、突飛なアイデア。設定が細かく世界観の作り込みが見事だからもっと話膨らませられそう、テレビシリーズとかに出来そうなくらい。多少やり過ぎなくらい満腹になるサービス精神、だから爆発とかが多少チープなのもご愛敬。
主演のイーサン・ホーク兄さんって本作のスピエリッグ兄弟にしてもそうだし長年の付き合いのリチャード・リンクレイターやアントワン・フークア等同じ監督の作品に複数出がち。それだけ評価されているばかりか、きっと人間的にも気に入られているということに他ならない。

代用血液「人血には手を出すな」「ヴァンパイアになるより死を選ぶ」
エルビス語録「フライドチキンになった気分だった」「バーベキューは好物だ」「(あんた誰だ?→)クロスボウを持つ男」「ひどく悪趣味な家だ」
代用血液× → We got a cure.
"So who is the fucking coward?" Truth is the sun.
「人間に戻ったヴァンパイアの血が治療法だ」
"We have a cure. We can change you back. That's not too late."
TOMATOMETER67% AUDIENCE49
Though it arrives during an unfortunate glut of vampire movies, Daybreakers offers enough dark sci-fi thrills -- and enough of a unique twist on the genre -- to satisfy filmgoers
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