【怒れば怒るほど笑われる】
消防署のパーティーを通じて、この世の滑稽さを笑うコメディですかね。
消防署の上層部は、パーティーを成功させるためにあの手この手の大奮闘、なのですが、頑張れば頑張っただけ蟻地獄の深みに嵌まっていく可笑しさ。
付け焼き刃の小手先だけの対策は、事態を悪化させていき、どんどん思わぬ方向へ。
ミスコンも優先順位間違えていて、ひどい結末に。
これらは本質を見ようとしていない当時の政治への批判なのでしょう。
また、景品の件では、大衆を抑圧する体制側にこそ腐敗があることを指摘しているようです。
そして、火事が全てを持っていく。いつでも大衆は他人の不幸を見せ物にするのが大好きで、ビールを販売する逞しさもある。大衆はそれを上手く隠れ蓑にしようとしている。
最後のシーンは、大衆が馬鹿ではないこと、支配者の中に裏切り者がいること、そして、上手くいっていないことを、上手くいったことにしてしまう、体制の隠蔽体質を表現しているのではないでしょうか。
当時のチェコで、上映禁止になったのも仕方がない、愉快な作品でした。