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スパイナル・タップのRのレビュー・感想・評価

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)
4.4
架空のイギリス出身へービーメタルバンド、スパイナルタップがアメリカをツアーで廻るのを追ったフェイクドキュメンタリー。冒頭に出てきてこれは、ロキュメンタリーだ!って宣言してるのが、本作の監督のロブライナー!ってエンドクレジットで知りました笑 コメディ映画てのを知らなくて、ふつうに真面目な映画と思って見始めたら、そのギャップに大爆笑! サイコー!!! メンバーたちのバカっぷりが面白すぎる! ヘビメタ系の男たちって、大体みんなちょっとガキっぽくてバカっぽいところがありつつ、それが全体のカッコいいオーラのなかで、さらなる魅力になってる面が多分にあると思うんやけど、スパイナルタップは完全に間抜けキャラになってしまってる…けど、狙いすぎてあざといところまではいってない、絶妙な頭の悪さが最高に笑える! で、新譜がアメリカでめちゃめちゃ売れてコマーシャル的にも成功することを確信してる彼らが、まったくそうならない状況に直面させられていく様が、可笑しくも哀しく展開。サイン会は閑古鳥、ライブ会場もどんどんサイズダウンしていって、最終とんでもない会場でプレイ…あちゃー。しかも、またライブしてる様子がめちゃめちゃ可笑しくて、バカバカしいセックスの歌ばっかプレイして、それがめちゃめちゃクールだと思い込んでる姿のあほボーイズ感! あと、ライブ中ステージのセットがまったくうまく機能してないふたつのシーンはマジ大爆笑! ただでさえ問題が山積みなところに、ボーカルのデイヴィッドの彼女が彼らに合流して来て、ごちゃごちゃ口をはさみ始めるもんだからますますややこしいことに。ギターのナイジェルは明らかにデイヴィッドと彼女との関係に嫉妬してて、不機嫌になってるし、ツアーのマネージャーもイベントスタッフもテキトー過ぎやし、もー笑いに次ぐ笑い。最後の方になると、この実際には存在していないスパイナルタップというバンドに愛おしさを感じている自分を発見する。これでファンになった人もおるやろなーと思って調べてみたら、やっぱり本作の後、カルト的な人気を博したらしいです。最後の最後には、誇らかに思う人もいれば、苦笑してしまう人もいるであろうエンディングが待っている! ってか、これ、どっからどう見ても、本物ドキュメンタリー、アンヴィルを思い出さずにはいられないよね。かなりおんなじと言えるやん笑 いやー、もういろいろ最高でした。すぐもう一回見たくなるくらい魅力的で真剣なバカ映画! 楽しかった!
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