イチロヲ

スパイナル・タップのイチロヲのレビュー・感想・評価

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)
4.0
架空のUKロックバンド「スパイナル・タップ」に密着している、フェイク・ドキュメンタリー。演者が架空の人物に成り切ることにより、アドリブでドラマを構成させている。映画の演出法をブラッシュアップさせた記念碑的作品とも言われている。

本作では、バンドメンバーの人物像を徹底的にステレオタイプ化。音楽活動の「あるあるネタ」が採用されており、カッコいいようでダサいところが大きな魅力。音楽性の探求から内輪揉めまで、カリカチュア化された世界観を楽しむことができる。

また、持ち歌のノータリンな歌詞が非常に素晴らしく、自分が失いかけているパッションを再認識させてくれる。コメディ要素では、入り組んだバックステージで迷ってしまい、ステージに上がれなくなるシーンが抱腹絶倒。

終局に入ると、日本を舞台にしたライブシーンが登場(日本ロケではない)。メンバーが巨人のユニフォームを着用しており、カタカナでバードマンと書かれた謎Tシャツが出てくる。「アドリブの妙」を高次へと引き上げている、レジェンド級の逸品。
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