らんでぃ

スパイナル・タップのらんでぃのネタバレレビュー・内容・結末

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

60年代にデビューし一世を風靡したバンド「スパイナル・タップ 」が80年代にハードロックバンドとして全米ツアーを行う姿に密着したモキュメンタリーの話。
フェイクドキュメンタリー、所謂モキュメンタリー。どう考えてもクソっぽい映画なのにやたらとカルト的な人気があるとの事で観てみたら、いやこれは面白いわw観る人によっては何が面白いか全然わからないと思うけど、80年代ハードロックの背景を少しでも知ってる人ならきっと面白いはず。BURRNとか読んでた人にはオススメ。劇中のセリフが殆どアドリブらしいけどみんなそれぞれ役割をわかってるしよく笑わないで答えられるな。「この曲は俺の三部作の一部だ。モーツァルトやバッハの影響を受けたその中心のモッハだ。」とか歴代ドラマーが三人とも死んでるくだりとか笑っちゃうでしょこんなん。バンドの終わりの話を宇宙の終わりの話に例えたりインタビューの受け答えがいちいちよくありそうな感じで面白い。フロントマンの彼女がバンドにあれこれ口出して他のメンバーが不満に思うところやツアーマネージャーがキレて途中で辞めたりとかのアクシデントもリアルでバカバカしい。ステージにストーンヘンジのセットを作ろうってセンスの時点でもう最高なのに出来上がったものが40センチのストーンヘンジでそれがライブ中に空から紐で吊るされて降りてくるシーンはめっちゃ笑った。何がいいって終始全員大真面目なのがいいよね。本人達は馬鹿やってるつもりはないんだけどついつい笑ってしまうようなセンスで溢れているのが80年代HR/HMで、その空気感が完璧に再現されていた。有名バンド達がこの映画を観てこぞって、これは昔の俺達だって言うのもうなずける。万人にオススメはしないけど好きな人はほんと好きな映画だと思う。ほんと何の人生の糧にもならない無意味で素晴らしい80分間だった。
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