ペジオ

スパイナル・タップのペジオのレビュー・感想・評価

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)
4.0
自分は映画が好きではあるが、「じゃあ」映画が他の娯楽や芸術よりも優れているのか?と問われれば口ごもる
でも映画というメディアの弱点や悪口を必要以上に浴びせられれば「…ちょっと待てよ」と反論したくはなる
好きなものを貶されると、それを選んだ自分を貶されている様な気分になるからだろう
「我」ながら不純物の混じった愛情だと思う

モキュメンタリーというこの映画の作り手の対象への愛情表現は見習わねばならない
「自分が好きなものが必ずしも素晴らしいものとは限らない」という至極当たり前の事実に乗っ取った距離感を保っているから
だから笑える所は殊更強調して笑いものにする事ができる
対象の褒められない部分も丸ごと受け入れる愛情には「自己愛」などという不純物が入り込む余地は無い

劇中バンド「スパイナルタップ」もただただロックが好きなんだろうなあ
好きなものに一心不乱に興じる様は滑稽だが愛らしい
そもそもロックにはどこか滑稽さや馬鹿馬鹿しさと同義なところがある
主観的な熱狂の裏には客観的なドン引きや笑いが伴うものだ
まあでも楽しんだ者勝ちなんですけどね

散りばめられたロックの小ネタも「ありそうw」と思えた

自戒の意味も込め、もう一度言います
「自分が好きなものが必ずしも素晴らしいものとは限らない」