カルダモン

アメリカン・パロディ・シアターのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.9
架空のB級SF映画『月のアマゾネス』のTV放送を観ながらチャンネルをザッピングしているという設定のコメディ・アンソロジー。

タランティーノも顔負けのDJ感覚で、全部のネジがユルい感じがたまらない。どのエピソードも突き抜けたナンセンスで脈絡というものを度外視しており、まとめるのがとても難しい。
強いて言うならスネークマンショーを映像化したような感じが近いだろうか(伝わるかわからないけど)

ざっと内容を書き出してみると・・・

自宅のテレビや本棚に殺される黒人。全裸で街中を闊歩するモデル女。新しく買ったテレビに浮かれているうちにテレビに閉じ込められるオヤジ。産院で頭のイカれた医者に赤ちゃんをなくしたと言われる母。新しいカツラ「ヘア絨毯」のCM。ソウルの心を持たない黒人シンガー。ジャックザリッパーの正体と噂されるエロ目のネッシー。TVの評論家二人に人生を評論される男。葬儀場でジョークを連発するコメディアン。コンドームを買った瞬間に10億人目の客になりお祭り騒ぎになる17歳、、、などなど。

このカオスに乗れるかどうかははっきり好みが分かれそうだが、説明のつきにくい魅力があって何故か無視できない。
疲れた日や重い映画はちょっと、という日にはうってつけのバカ映画。

監督は『ブルースブラザーズ』『ケンタッキーフライドムービー』『スリラー』のPVなどで知られるジョン・ランディスを筆頭にジョー・ダンテらも参加。またミシェル・ファイファー、キャリー・フィッシャーなども何気なく出演していたり、何かと豪華。