TAK44マグナム

ブラック・ソルジャーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ブラック・ソルジャー(1999年製作の映画)
3.6
王女のためならエンヤコラ〜


ブックオフで250円だったのでサルベージしてきたら、意外や意外、普通に面白かったドルフ・ラングレン主演のバトルアクション。

ラブロマンスの相手となるヒロイン役にバレリー・チョー。
どこかで見た顔だなあと思ったら、ウェズリー・スナイプスが出ていた「デスゲーム2025」で味方だったのに敵チームになる女戦士やってた女優さんね。
王女というイメージは全くないものの、物語的には気丈そうなルックスがぴったりなキャスティング。
元々スタント出身なので動ける人。ドルフとの対決は、どこか香港カンフー風なところもある名場面。


敵となる悪の将軍役は、こういう作品に欠かせないケイリー・ヒロユキ・タガワ。
相変わらずの顔面力で頼もしいし、憎々しい。


どこだか分からない国が舞台。
アジア系かと思いきや、ドルフ・ラングレンみたいなのも普通に暮らしている軍事政権国家(ヘリやジープ全てに666という数字が!)ですが、街を一歩でると野盗やら人さらいやらが跋扈している危険な国で、政権に反旗を翻す人々もいます。
そんな反乱軍を、今日もブチころしまくるウォーチャイルド(ドルフ・ラングレン)。
尊敬する将軍様の命令なんで仕方ないのです。
でも、戦意を失った相手には手をくださないナイスガイ。

前国王を暗殺した、実はとんでもない悪党である将軍は、国王になるために王女と政略結婚しようとしています。
当然、王女は「あんなのと結婚するぐらいなら死んだほうがマシ」ぐらいの勢いで、脱走して反乱軍へ合流しようとします。
将軍はウォーチャイルドに連れ戻すよう命じますが、それがヤブヘビとなり、王女に惚れたウォーチャイルドはあっさりと将軍を裏切るのでした。


・・・という、恋愛要素を加味した「レッドスコルピオン」みたいな内容です。

それにしても意味不明な邦題は置いといたとして、ヘンテコな部分が目立つシナリオがヘロヘロのボロボロ。
せっかく洒落たセリフもあったりするのに、王女が一発平手打ちされただけで大恩ある将軍を裏切るとか、殺しに来た元相棒までもが一瞬で意趣返ししたり、反乱軍があまりにも簡単にウォーチャイルドを信用したりなど、登場人物の行動に100%説得力がありません!
いくらなんでも筋書きが大味すぎます。
確かにドルフ・ラングレン主演のアクション映画なんてこのぐらい大雑把でも構わないのかもしれませんが、もう少し細やかなドラマにしてもバチは当たらないでしょうよ。

しかしながら、ウリとなるバトルアクションは最高とまでいかなくとも、ドルフ映画と限定すると、これはこれでかなり魅力的。
たぶん、ドルフ主演作では一番イケてるといっても過言ではないかと思われます。
迫力満点な回し蹴りをバンバン魅せてくれるわ、頑張って横っ飛びしたり、その体躯を活かした「コマンドー」風の重量級アクションのつるべ打ち!
真正面から銃をブッ放してもドルフには敵の弾は当たりませんが、相手はみんな簡単に吹っ飛んでくれますよ!
アクションコーディネートがまともなので、見栄えが良いです。

序盤のドルフVS王女からクライマックスのドルフVS将軍まで、多少の野暮ったさがあるものの、「レッドスコルピオン」には無かったテンポの良さも手伝ってドルフ史上随一の成功作と言えるのではないでしょうか?

ちなみに製作は、最近ケンカしていたシルベスター・スタローンと仲直りしたらしいアヴィ・ラーナー。
この人、何十年もこんなんばっかり作ってますな。
とりあえず、「エクスペンダブルズ4」にスタローンが出るみたいで一安心ですけれども、早くスティーブン・セガールとも仲直りしてほしいものですねぇ。いい大人なんだからさ。


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