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ことの次第のtomocoのレビュー・感想・評価

ことの次第(1981年製作の映画)
3.7
映画の中の映画物語。

モノクロの波打つポルトガルの海が、冷たく美しく映しだされて印象的。
SF映画制作中に資金がなく撮影不可能になり、撮影を待たされる俳優陣…それぞれをやり過ごす日々。
ここまでは非常に退屈であった
(ヴェンダースの芸術性高いセンス、カメラワークや音楽で何度救われたか)。

しかし、終盤にタイトル「ことの次第」の意味が明らかに。

情熱で自己流の映画を作るのか?
それとも興行収入を目的とした中身のない映画を作るのか?
商業主義のハリウッド映画へ対する風刺…資金を調達するプロデューサーがユダヤ系アメリカ人で納得。
散々淡々としたストーリーから一変し、衝撃のラストに絶句。

映画を殺すのか…?
映画に殺されるのか…?
映画の物語は物語の中にある。
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