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ミイラの復活のhorahukiのレビュー・感想・評価

ミイラの復活(1940年製作の映画)
3.2
先祖代々の使命より「女」が大事!!
大神官が「王女の墓を守る」という使命そっちのけで、一目惚れした若い女を口説こうと必死になるホラー映画。

ミイラ男はご存知ユニバーサルモンスターの一角。昨年『ザ・マミー』としてリブートされたのも記憶に新しいですね!

そんで本作は『ミイラ再生』に次ぐユニバーサルのミイラ映画第2弾!再生→復活という超安直な邦題が笑えてきますが、ミイラ男の特徴を作った偉大?な作品です。

あらすじ…
エジプトの骨董品店で年代物の花瓶を見つけた考古学者の主人公。その花瓶に掘られた模様が、価値のある墓の地図だと考えて相棒に無理矢理金出させ、衝動買い。いざ地元の博物館の教授に見せるも、模倣品だとバッサリ切り捨てられる。しかし本物に違いないと自信満々な主人公は、発掘に出資してくれる金持ちを探すが…。

邦題通りミイラが蘇る話ではありますが、前作『ミイラ再生』との繋がりは全くない独立した作品です。ただ、設定に似通ったところが多いのでリブートのような位置付けなのかも。

前作ではボリスカーロフ演じるイムホテップが、アンケセナーメンに一方的に片思いしてるだけの傍迷惑なお話で、包帯巻き状態でミイラが登場するシーンはほぼありませんでしたが、今作はそう言ったメロドラマ要素は控えめで、代わりにミイラが人を次々に殺して行くお話になっており、前作の「ミイラが出ない」という不満点を解消しようという製作陣の心意気が窺えます。

そんなわけで、本作ではミイラが調査隊をひとりひとり殺していくのですが、現代でミイラとなったカリスはアナンカを復活させようという目的があるわけではなく、人間に使役されアナンカの墓を守らされてるという意思のない奴隷のような存在になっています。

とはいえ、似ている点も非常に多い。3000年以上前に、カリス王子が恋仲のアナンカ王女を生き返らせようとして禁忌を犯し、その罰で生きたままミイラにされる流れは前作と似てるし、現代に生きる女性を主人公と悪役が取り合うとこも同じ。そんで脚本が雑すぎるところも前作の流れを完璧に踏襲しております(笑)

そして、トレジャーハントやミイラ男とのバトル等冒険アドベンチャー要素が強く、あの有名作『ハムナプトラ』は『ミイラ再生』のリメイクとされつつも、本作からも影響を強く受けてるように思いました。そして生ける屍という意味ではミイラはゾンビにも近く、ノロノロ動きで人を追い詰めるその姿は以降のミイラ像を作り上げただけでなく、モダンゾンビにも少なからず受け継がれてるのだろうと思います。

そんで、使役される奴隷という意味では、ブードゥーゾンビと近く、ブードゥーゾンビ→ミイラ→モダンゾンビという流れで影響を与えて行ったのではないかとも思えます。まあ、ミイラとゾンビは全く違うものではありますけどね。

お話が面白いかというと微妙なとこだし、映像・演出的にもそれほど惹かれませんでしたが、後世への影響力は極めて強い作品だと思います。上映時間も短くサクッと見れるので、ミイラ好き・ゾンビ好きの方は見て損はない作品です!あとダークユニバースさん何とか本気出して頑張ってよ…(T ^ T)
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