ひげしゃちょー

苦役列車のひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

苦役列車(2012年製作の映画)
4.2
日雇い労働者で金もなく、彼女もいなく、人付き合いも苦手な北町貫太を森山未來が痛快なまでに演じきった。 父親が性犯罪者で一家離散しており、中卒で日雇い労働をしている自らの境遇に不満を持ち、その境遇にいじけているめんどくさい男をあそこまで的確に演じられる役者もそうそういない。 自分が悪いわけではないと思う気持ちと、何もできずにいる自分に腹が立つという微妙な心理状態が手にとるようにわかった。 森山未來だけでなく高良健吾のもよかった。マキタスポーツも意外にいい味出してた。 少し厳しくストーリーを評価すればオチはあれほどわかりやすい希望を描かなくてもよかったんじゃないかな。映画的にヒロインは必要なのだろうけど前田敦子演じる康子ちゃんはいらなかったんじゃないかと。