福福吉吉

ダブル・キラーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ダブル・キラー(2010年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
キム・ミンホ(チョン・ホジン)は全身麻痺で入院し、生きる意味を見失っていた。しかし、ある日、ミンホの同室に意識不明の男が入院することとなったが、その男を見た瞬間からミンホは彼への殺意を表し始める。その男の名はパク・サンオプ(ユ・ヘジン)であり、彼こそがミンホの妻子を殺した犯人だった。

◆感想◆
全身麻痺の主人公が家族の仇で自分と同じく動けない状態の男を殺そうとするストーリーとなっており、主人公と家族の仇がベットを並べて必死の攻防戦を繰り広げる展開はシリアスな内面とは裏腹に外見的にはとても滑稽である不思議な面白さがある作品でした。

キム・ミンホは全身麻痺の身体もあって自殺を試みる姿が最初に描かれており、生きる意味を完全に見失っていましたが、パク・サンオプが隣のベットに入院することになってから、必死にサンオプを殺そうとし、そのために過酷なリハビリを始めるなど、それまでの抜け殻のような姿とは完全に変わっていて興味を惹きました。体が満足に動かないために孫の手を利用して必死にサンオプに攻撃しようとする姿は殺意があるんだけど滑稽さが隠せなかった。

一方、パク・サンオプは最初、記憶を失っており、重体で身動きとれない状態だったのですが、日ごとにぐんぐん回復していって、そのユーモラスで少しゲスな性格を表し始めます。ミンホからの殺意に気づいていなかったのですが、サンオプが記憶を取り戻していくうちにミンホへの態度が変わっていって、そこからのお互いのやりとりが楽しかったです。

ストーリー中盤以降、ミンホとサンオプが対立関係になるのですが、そこに裏表のないハ看護師(ソ・ヒョリム)がその雰囲気を読まずに親身になって看護するので、どこかコミカルな雰囲気があって面白かったです。そして、2人について姿を現さないが、実験的な投薬をするペク科長の名前がずっと話題に上がっていて、ペク科長の正体に興味を惹かれました。

2人のむさ苦しく身動きも満足に取れないおっさんたちが奮闘するストーリーとしてなかなか面白い作品でした。

鑑賞日:2025年5月7日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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