たけちゃん

ロッキー5/最後のドラマのたけちゃんのレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
3.0
全てはこの場所から始まった!


ジョン・G・アビルドセン監督 1990年製作
脚本、主演シルベスター・スタローン


シリーズ「クリードへの道」
今回は第5作「最後のドラマ」
1番評価の低い作品ですね。
でも、それも仕方ないかなぁ……。
今作はやっぱりこじんまりとしているのと、伝えたいテーマは分かるんだけど、ちょっと展開が弱かったよね。だから「ザ・ファイナル」を作ることになるんだし。


ここ数日、吉田沙保里選手の引退ニュースがワイドショーを賑わしていますが、スポーツ選手に限らず、誰にでも訪れる"老い"との向き合い方を描いた作品です。

ここ映画界隈でも、その手のテーマものは多い。
社会派映画ばかりでなく、本来は娯楽作であるはずの「ウルヴァリン」や「カーズCrossroad」などの作品でも取り上げられたテーマです。しかも、それらの2作品は世代交代を見事に描いて、胸を打ちましたよね。僕はグッときました( ˘ ˘ )ウンウン

この作品もそうなるべき要素はあったけれど、そうはならなかった……( ᵕ_ᵕ̩̩ )

歳をとり、しかも、そのストロングスタイル故に多くのパンチを受け、後遺症も見られるロッキー。ボクサーとしてはピークを超えたと思われ、現役を続けるのは難しい。
彼の脳裏に浮かぶのは在りし日のミッキーの姿。
自分もミッキーのような後進の指導をすべきでは。
そこに現れる若者トニー・ガン。
彼のストロングスタイルは、まさに若き日のロッキー。
今度は彼と共に栄光への道を!
しかし、彼はロッキーではなかった……。


という展開ですよね。
「ロッキー4」のドラゴもそうでしたが、このロッキーって映画は、第1作からずっと"心"を大事にしていました。ロッキーってすごく信心深くて、毎回、教会でカーマイン神父から祝福を受けたり、ひたすら祈るシーンがあったりしますよね。
ロッキーの強さの一端はここにあるんです。
でも、向上心の塊でもあるトニーはイマドキの若者。
侍らすお姉ちゃんもイケイケ。
決してエイドリアンのような娘は選びません……。
ロッキーも物欲に負ける時期、あったけど、やはり、あの時のミッキーは凄かったんだなぁ。
だから、テーマとしては実にいいの。
ただ、エモくならなかったのは後半の展開よね。
気になったら映画観てみてね。
強くおすすめはしないけど……。


ただ、ひとつ触れるとすると、エイドリアンです。
今作のエイドリアンは本当に強い。あの1作目で伏し目がちの奥手な娘はどこにもいません。
ちょっとエイドリアンの変遷をまとめると……

1は奥手のウブな娘。ポーリーの妹というのも、ちょっとおかしいけどね。
2は思うところはあっても、強引なロッキーに押されて、従っちゃう。ひとつ間違うと旦那に虐げられるDV展開になるけど、ロッキーがそうじゃなくて良かったね。
3で少し変わりますよね。ミッキーを失い、アポロをトレーナーに迎え再起にかけるけど、気合が入らないロッキー。最終的にロッキーの奮起を促したのはエイドリアンの言葉でした。この頃からエイドリアンの立ち位置が変わります。
そして、4作目では子供を置いてロシアまで追っかけて行くほどの積極性を見せますよね。ドラゴの妻に負けじとリングサイドで応援します!
今作ではすっかり強いお母さんとなり、ポーリーにもプロモーターにもガンガン意見するし、気弱な姿はどこにもありません。
こうやって通してみると、エイドリアンが本当に強い女性で、1番まともな感覚を持ち合わせていたことが分かりますね。なので、優秀なジュニアはエイドリアンの血なんだと納得出来ました。
ちなみに、ジュニアを演じているのは、スタローンの実の息子セイジ・スタローンです( ¯−¯ )フッ


スタローンは「ロッキー」をここで終わらせようと考えていたので、スタッフも磐石!
まず、第1作ぶりに監督がジョン・G・アビルドセンが復帰しました!脚本はスタローン、音楽もビル・コンティということで、布陣は完璧なんだけど、残念な結果に終わりました。
まぁ、このおかげで「ザ・ファイナル」の製作があり、「クリード」にも続いていると考えると、歴史のひとつとして把握するのはありですかね。
映画としては1度見れば十分なので、スコアはこんな感じになりました……ゴメンネ、スタチャン


さあ、次作は「ロッキー」シリーズの締めくくり、「ロッキー・ザ・ファイナル」です( •̀ω•́ )و✧