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突撃のTSのレビュー・感想・評価

突撃(1957年製作の映画)
3.6
【命令に背くとどうなるか】76点
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監督:スタンリー・キューブリック
製作国:アメリカ
ジャンル:戦争
収録時間:86分
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スタンリー・キューブリックによる正統派戦争映画。『フルメタルジャケット』とはまた一風変わった、極めて反戦的な姿勢で今作を描いています。戦争の残酷さ、無意味さを痛烈に伝えている作品であると感じました。

第一次世界大戦の独仏戦。フランス軍の将軍はドイツ側の「アリ塚」を粉砕するように大佐に命令する。大佐曰く、兵士は疲弊しており士気も低いためとても出来ないと主張したのだが。。

結局、敵は内側にあり。ということでしょうか。確かに塹壕戦のワンシーンが見せられるので、相手の兵士にやられるという構図は変わらないのですが、今作はそれ以上に、内側の上層部の圧力により失われてしまう命もあるのだということを伝えています。結局、突撃出来なかった罪として、三人の代表兵士が銃殺刑に処されるのはどういうことなのか。終盤のもがくシーンは見るに耐えれない。見せしめとは言えこれはあまりにも無惨な結果であります。

臆病な行為をしたことは確かに批判されてしまう要因かもしれませんが、だからといって処刑するのも唖然となる話。勇者と臆病者ではこうも扱いが違うのか。戦争の根本的なところよりも、そのあたりの裏側を強調している作品と思えました。
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