ねぎおSTOPWAR

突撃のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

突撃(1957年製作の映画)
4.0
おまけにキューブリック。

前作「現金(げんなま)・・」は興行的には監督の利益に至らずとも批評家たちの評判は良く、次にハリスとキューブリックは第一次大戦中の独仏戦争を書いた小説の映画化にトライ。「栄光の道」。
これは・・
『無謀な作戦を命じられ、下士官が言うことを聞かなかった』
・・という話で、この1957年映画化のタイミングはまさに機が熟した感。これまでは反戦的な内容に、舞台など失敗してきたものなんですよね。

さらにトンプスンらと作った脚本はスタジオに受け入れられず、頓挫しかかるんですが、カーク・ダグラスがこの本に乗るんですよね!!で、自身のプロダクションとUAが資金を出すことでスタート!ちなみにこれもまたキューブリックが儲けることは出来ませんでした。

カーク・ダグラス相手だろうが、何度も何度もテイクを重ねたそうなのでいいですね!この作品から本領発揮し出した説。
たぶんカーク・ダグラスってキューブリックのこと気に入っていましたよね。だからその後「スパルタカス」で前任監督クビになったあとカークがキューブリックを呼んだわけで。・・ただ最初はキューブリックの言うように演技していたものの、<キューブリックの映画>になってしまうことを恐れたのか(ケツの穴の小さい話!)、キューブリックは単なる現場監督になっていってしまい、あげく「スパルタカスは私の映画ではない」と公言する始末。(これ結果的に「スパルタカスが駄作なのはダルトン・トランボのせいで、そんな中キューブリックの演出は良かった」というなんとも皮肉な評価になったんですよね)

さて「突撃」に話を戻すと・・
またラスト急に女の子が出てきて歌い出すシーン。兵隊たちがいつしかほだされて歌い出すのはいいシーンなんですが、その歌い手スザンヌ・クリスチャンはこの後キューブリックと結婚。死ぬまで添い遂げました。
この歌、実はドイツの歌なんですってね。だから最初ブーブー言う。フランス兵がドイツの歌なのに最後一緒に唄う・・・だから名シーン。