突撃の作品情報・感想・評価

「突撃」に投稿された感想・評価

まだキューブリックぽさはない

トラウマ映画。
戦争の狂気。神風もこんな感じだったのかな、彼らは今どう評価されるべきなのか
339
はらわたが煮えくり返るほどバカバカしい!!
ねぎお

ねぎおの感想・評価

4.0
おまけにキューブリック。

前作「現金(げんなま)・・」は興行的には監督の利益に至らずとも批評家たちの評判は良く、次にハリスとキューブリックは第一次大戦中の独仏戦争を書いた小説の映画化にトライ。「栄光の道」。
これは・・
『無謀な作戦を命じられ、下士官が言うことを聞かなかった』
・・という話で、この1957年映画化のタイミングはまさに機が熟した感。これまでは反戦的な内容に、舞台など失敗してきたものなんですよね。

さらにトンプスンらと作った脚本はスタジオに受け入れられず、頓挫しかかるんですが、カーク・ダグラスがこの本に乗るんですよね!!で、自身のプロダクションとUAが資金を出すことでスタート!ちなみにこれもまたキューブリックが儲けることは出来ませんでした。

カーク・ダグラス相手だろうが、何度も何度もテイクを重ねたそうなのでいいですね!この作品から本領発揮し出した説。
たぶんカーク・ダグラスってキューブリックのこと気に入っていましたよね。だからその後「スパルタカス」で前任監督クビになったあとカークがキューブリックを呼んだわけで。・・ただ最初はキューブリックの言うように演技していたものの、<キューブリックの映画>になってしまうことを恐れたのか(ケツの穴の小さい話!)、キューブリックは単なる現場監督になっていってしまい、あげく「スパルタカスは私の映画ではない」と公言する始末。(これ結果的に「スパルタカスが駄作なのはダルトン・トランボのせいで、そんな中キューブリックの演出は良かった」というなんとも皮肉な評価になったんですよね)

さて「突撃」に話を戻すと・・
またラスト急に女の子が出てきて歌い出すシーン。兵隊たちがいつしかほだされて歌い出すのはいいシーンなんですが、その歌い手スザンヌ・クリスチャンはこの後キューブリックと結婚。死ぬまで添い遂げました。
この歌、実はドイツの歌なんですってね。だから最初ブーブー言う。フランス兵がドイツの歌なのに最後一緒に唄う・・・だから名シーン。
A

Aの感想・評価

-
不条理劇。塹壕のシーンの演出の付け方。
どうでもいいけど、父ダグラス、なんかダニエルクレイグに似てる
すでにこの頃から作風が『フルメタル・ジャケット』状態だったキューブリック監督。痛烈な軍隊批判であり権力統治構造を白日の下に晒した映画。

主演カーク・ダグラスと相手役ラルフ・ミーカーの男臭い迫真の演技はどのキューブリック作品よりも熱い「絆」を感じさせる。どちらかと言うとロバート・アルドリッチ的な文体なのだが、やはり戦後派の監督らしい視点が秀逸でこれまでのアメリカ映画には無かった新鮮味が感じられる。

弾丸飛び交う塹壕をひたすら引きの画による長回しで撮り上げる独特なカメラワークもすでにこの頃から確立されている。ただし後年のブラックユーモアな作風はこの時点ではまだ見られない。

「普通の監督」だった頃のキューブリックは驚くほどフレッシュかつ格調高いエンターテイメントを作っていた。その事実に今更ながら驚く。戦争そのものの不条理を描いた映画としてはアルドリッチの『攻撃』と双璧を成す傑作。
FRANCIS

FRANCISの感想・評価

5.0
西部膠着塹壕線戦。

手堅く根を張る独軍に、短期攻略打開を目指し、仏軍捨て身の突撃作戦。

国家と組織の威信と愚考は、表裏一体、非情で不条理。

代表責任、下への押し付け、後方司令は悠々自適の高みの見物。

縫って這いつく最前線より、不可避で怖い軍隊の闇。

ドイツ娘(演じているのは後のキューブリック夫人)の歌に泣き、捨て駒歩兵はまた戦場に。

キューブリック初期の白黒でも色褪せない傑作。
えぇー‥‥‥
 軍隊への批判が込められた反戦ブラックコメディ。軍人の愚かな姿と、そんな彼らにも良心が宿っていることを感じさせる涙。このフェデリコ・フェリーニの『道』を彷彿とさせる説教臭さに、鼻白むどころか心打たれてしまった。
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 軍の上層は不可能に近い任務を兵士に与える。兵士たちはその任務を遂行できずに終わるが、上層は兵士たちを咎めることで自分たちの正当化へと走る。兵士たちに対する「お前らの血管には乳が流れているのか」という男尊女卑的な暴言も相まって、幹部らはかなり悪者として表現されているように感じた。

 加えて、本作から如実に伝わってくるのは、「組織の同調性」の恐ろしさである。組織の判断、本来悪しとされるその判断を、誰も疑おうとしない。あるいは、心の中では罪悪感を感じているのかもしれないが、組織に逆らうことは絶対にしない。これは軍隊だけでなく、政治や企業にも一部当てはまりそうだ。疑問を抱き、反感を表明できるのは戦地に立つ者、現場に立つ者だけであり、本作はむしろ上層にもカーク・ダグラス扮する善人がいるだけマシなのかもしれない。

 本作は1917年フランス、第一次世界大戦の一幕を切り取った作品だが、キューブリックがそこに第二次世界大戦への思いを投影していたのは言うまでもない。そして、そのテーマは現代にまで通ずるものとなっている。
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