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ヒース・レジャーの恋のからさわぎのslowのレビュー・感想・評価

4.2
過去の呪縛を目映い恋が浄化する。
しっかりと王道のカタルシスを感じる物語だけれど、ありきたりな青春映画と侮ることなかれ。
本作は今や伝説となったヒース・レジャーの鮮烈なハリウッドデビュー作であり、実力派として活躍を続けるジョセフ・ゴードン=レヴィットの幼さ残りまくりの姿を見られる貴重な映画でもある。また彼らに対する2人の女優の好演も光る。特にジュリア・スタイルズの瑞々しい演技は身体的ポテンシャルの高さを感じさせるもので、物語に躍動感を与え続けていた。この心強さは蒼井優に感じるものに近かったかも。映画を盛り上げる楽曲も良く、どれも青春を駆け抜けるには持ってこいの佳曲ばかり。でも、なんと言っても本作最大の見所はヒース・レジャーのあれだろうね。

それにしても、ヒース・レジャーとジョセフ・ゴードン=レヴィットの顔ってかなり似ている。特に笑ってクシャッとした時などハッとする。2人はここで共演してから約10年の時を経てノーラン映画でニアミス。これは運命的で感慨深さもあったけれど、まさかの訃報により二度と共演が叶わなくなってしまったことが同じ運命の悪戯だと言うのなら、とても複雑な気持ちになる。年齢も近いし兄弟役の映画とか観てみたかった。残念。

言ったように物語の土台は定番のラブコメだけれど、出演者のファンであれば必見のニヤニヤ不可避映画。そうでなくても、単純に脳内リフレッシュムービーとして時々観たくなりそうな、不思議な魅力溢れる映画でした。
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