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シェラ・デ・コブレの幽霊のRAMPOのレビュー・感想・評価

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)
3.2
我が国では1967年に「日曜洋画劇場」で放送されたきりで再放送もなく、現存が確認されているフィルムは世界に2本だけ、その1本はなんと日本人が所有しているもののDVD化されていない、とにかく長い間幻とされていた作品。

2009年のTV番組「探偵!ナイトスクープ」にて“史上最高に怖い映画”として取り上げられたことから興味を持ち、以来ずっと観たいと願い、ディスク化を心待ちにしていた。

それが少し前からAmazon Prime Videoにて配信が開始されて、今般、予期せず観賞の機会を得た。

さて感想は…正直なところ、やはり年月の経過による古臭さは否めない。
“あまりにも怖過ぎて劇場公開中止になった”と評判の恐怖描写、件の幽霊の姿も、確かに半世紀以上前に製作された物、当時の状況を踏まえれば、その評価に足る恐ろしい物だったのだろう。

流石に現代映像作品、高度に進んだ特殊技術、演出効果、キャラ造形に慣れ親しんでしまった目には、ある種のノスタルジー以上の驚きや恐怖感を感じることはなかった。

まぁそれは、観る前から当然に想定できた結果なので落胆する程のことはなかったけど、一定の残念さ、寂しさのようなものは残ってしまった。
夢は夢のまま、想像している時が一番楽しいのかもしれない。

あ、一作品としては、ちょっとした捻りも効いており、サスペンススリラーの良作と思います。
件の幽霊の造形・描写・演出についても、話題になっただけあって、音響も含めなかなかに迫力はあります。
ご興味のある方はご覧ください。
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