けーはち

怒りのガンマン/銀山の大虐殺のけーはちのレビュー・感想・評価

3.2
ゾンビしかりサメしかりジャンル映画も後年はマンネリを打破すべく色々変化球を投げ始める。マカロニ・ウェスタンの後期に撮られた本作は、賞金首の青年と賞金稼ぎの追走劇に始まり、なぜか彼をかばう凄腕保安官の謎めいた振る舞い、そして彼が絡むギャングの親分の死の真相は……というサスペンス・ミステリ風味で攻めてくる。謎の真相は実は大したことではないんだが、回想シーンのモノクロパートのキレが良いし、アクションもいい軽業を見せてくれる。銃弾を歯で止めるとか、“電動のこぎり”(ヒトラーの時代のMG42機関銃)が登場するなど荒唐無稽でめちゃくちゃ、音楽はところどころ軽快すぎて何じゃこりゃとなるところもマカロニらしい。渋くていい味を出すけど何かいろいろ思いつめて結果的に謎を深める保安官を演じるのは、有名作品でイーストウッドとW主演を務めたリー・ヴァン・クリーフ。