イチロヲ

怒りのガンマン/銀山の大虐殺のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
権力者の汚職に直面した保安官(リー・ヴァン・クリーフ)が、不運な境遇をもつ賞金首(ピーター・オブライエン)を仲間に引き入れて、リベンジの遂行を後押しする。バディ・ムービー形式を取っている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。

全パラメーターをMAXまで引き上げている保安官と賞金首が、チート級の直感力を利用しながら、飄々と世渡りしていく。初老の保安官が含蓄のある台詞回しを交えながら、若手を煙に巻いていくところにカタルシスがある。

前半部、賞金首と賞金稼ぎのイタチごっこを軽妙に操作していく展開が最高潮。後半に入ると、若干ながらテンションが後退するが、敵対相手の富裕層が「ムカつくけれど、愛着が湧くキャラ」になっているところが面白い。

安全な場所から言いたい放題するのではなく、「危険な場所に身を起きながら、実体験をもとに問題提起する人間」の生き様。リー・ヴァン・クリーフの痺れるような役者力を確認するための佳作。
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