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くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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1970年代2部の弱小ダービー・カウンティを率いて昇格させ、やがて当時の名門リーズ・ユナイテッドの監督に就任した若きブライアン・クラフ。だが、彼の心には常に野心とリーズ前監督ドン・レヴィーへの恨みが燃えていた。
レジェンドで名将クラフの若き時代を描くフットボール映画だけど、完全にクラフとピーター・テイラーのブロマンス映画だった!うん、暴走する狂気のカリスマと、それを支え続ける地味な相棒という、典型的王道コンビが最高。マーティン・シーンのルックスはご本人に似てるし、危なっかしいカリスマ性がぴったり。愛嬌あるティモシー・スポールも安定の「相方」ぶりだ。ちなみに、その後ノッティンガム・フォレストで一時代を築いたクラフ監督は、あのロイ・キーンも育てる訳で、ああ遺伝子…。
当時の試合映像、再現された古く粗末なスタジアムやピッチなどのディティールが良かった。空と海、ドレッシングルームの壁や扉、ホテルの部屋、シャツ、車のエメラルドグリーンが、煙草の煙と茶色っぽいヴィンテージ色に合わせて美しく撮られてる。一人孤独に悩めるクラフを捉えた構図の広く空いた空間、切り返しショットの余白。この色調と空間構図、トム・フーパーの映画ってどれもそうだよね。ほんと、壁紙映画監督である。
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