ツタヤ

セイブド!のツタヤのレビュー・感想・評価

セイブド!(2004年製作の映画)
3.8
キリスト教系の高校を舞台に、期せずして神様の教えに背く事態に陥った迷える少女の“救済”への道のりをユーモラスに綴るシニカル・コメディ。同性愛や10代の妊娠という問題を取り上げ、キリスト教を皮肉る内容が一部の信者から反発を招くなど全米で物議を醸した問題作。日本劇場未公開。

「ハンガー・ゲーム」のジェナ・マローンに「ウォーク・トゥ・リメンバー」のマンディ・ムーアの人気若手スター、さらには映画界に復帰したあのマコーレー・カルキンくんにスーザン・サランドンの娘エヴァ・アムッリと、アイドル系ティーン映画の見本となりそうな華も話題性もあるキャスティングです。

久々に見るカルキンくんは車イスの青年役。その微妙な成長具合に初めて画面に登場した時は「ウゲッ」と絶句してしまいましたが、見慣れてくるとこれがなかなか良い演技をしている。さすが芸歴20年!この他の出演者もひとりひとりが輝いていて思わず引き込まれます。ただこの中では一番人気があったと思われるマンディ・ムーアだけはどうも浮いていたような気がする。役柄的にもただ一人損な役回りなのでそう見えてしまったのかもしれないのですが、さすがに女子高生役はもうきついのでは!?

同性愛、妊娠、宗教とテーマは重いものの、切り口はひたすら軽く爽快なので見ていてなぜか気持ちがいい。特に気に入ったシーンは「神の意思に反する」と妻との離婚を否定する父親に「自分の意思で決めなよ」と息子が諭すシーン。このシーンなど自分みたいな宗教にまるで興味も知識もない人間をも、優しく受け入れてくれる作品でした。これは隠れた良作じゃないかなぁ。
ツタヤ

ツタヤ