mimitakoyaki

浜辺の女のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

浜辺の女(2006年製作の映画)
4.0
なるほど、こんな感じなんですね、ホン・サンス。
初めてのホン・サンスです。
ストーリー自体はどうってことないんですが、男と女、女同士の会話で見せる感じがあたしの好みとマッチして、こういう作風は好きですね。

主人公の映画監督が、脚本を書くためにとスタッフとその彼女と3人でシーズンオフのリゾート地にやってくるのですが、何せシーズンオフなので閑散としてるし、ホテルのそばでは足場が組まれてて工事してたり、桜が満開の公園ではゴミ箱とか雑然としたものが写り込んでるし、リゾート地の割には監督達が立ち寄る店もパッとしない感じの所ばかりだし、ああ、これは綺麗なところを見せる気のない映画なんだなって思いました。

ホテルの宿泊費が高いとケチをつけたりするシーンでもう監督の小物感が滲み出てるし、新作映画の構想やら、イメージを点で結んで実像に近づける「哲学」とか、大層な感じで語ってるけど、レストランの店員の態度にやたらと腹を立てる俗っぽさとか、好きな女が西洋人と寝たことにめちゃくちゃ動揺するヘンなコンプレックスとか、その場の雰囲気や情動に流されてしまうとことか、監督のダメさ加減がリアルで面白い!
こういう人物の描き方がすごく好きなんですよね。

激昂して立ち去ったかと思うと、後から未練たっぷりだったりする監督に対して、女の方がサバサバしてて、爽やかに笑顔で前に進んでいく感じも面白いし、特に何が起きるわけでもないし、しょーもないやりとりがずっと続いて、一体何を見せられてるのだろう…という気持ちになるけど、それも楽しいんです。

ちっぽけだなあと呆れるようなセリフや言動の数々。
だけど、すごくわかる!
小さい事とわかってても許せなかったりこだわってしまったり…
誰もが立派な人間でもないし、強かったり正義だったりばかりでもなく、主人公ほどではなくても、器の小ささ、弱さ、ダメな部分も持ち合わせるのが人間だもの…みたいなところに焦点当てて描かれていることに、なんだか共感するんですよね。

ジャケ写では爽やかな青のワンピースと白のシャツ、爽やかな浜辺が写ってますが、全然そんなんじゃないです 笑

ホン・サンス、もっと見てみたい。
好きなタイプかもです。

7