イチロヲ

最後のサムライ/ザ・チャレンジのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
日本のヤクザ(中村敦夫)との繋がりをもつ、運び屋のアメリカ人青年(スコット・グレン)が、老剣豪(三船敏郎)から進むべき道を諭される。現代の京都を舞台にして、意志薄弱なアメリカ人が武士の精神に感化されていく様子を描いている、アクション映画。

主要登場人物では「七人の侍」のうち、3人の役者が再共演。そして、殺陣師には「用心棒」「椿三十郎」の久世竜を起用。時代劇好きで有名なジョン・フランケンハイマー監督の、個人的な趣味の世界であり、「作品を売ること」を二の次にしている。

日本描写に関しては、ドジョウの踊り食い、身体を地中に埋める刑罰が登場するけれども、いわゆるトンデモ描写とは異なる。日本のクレイジーな面をきちんと落とし込んでいるところが清々しい。

主人公の修行シークエンスがあっさり気味のため、スキル・アップのカタルシスが希薄だが、日本ロケの映像にジェリー・ゴールドスミスの音楽が乗っている時点でエキサイト必至。しかも、とある場面ではヒカシューの曲がバックで流れている。
イチロヲ

イチロヲ