みゆ

山椒大夫のみゆのレビュー・感想・評価

山椒大夫(1954年製作の映画)
4.2
2016.01.05(5)
録画


NHK BSプレミアムにて。

お話は児童書や教科書で馴染み深い山椒大夫。設定はいくつか変えてあって、原作では安寿と厨子王の姉弟だったのが、映画では兄妹になっていたり。

溝口監督作品はまだそれほど沢山は見ていないのだが、宮川一夫さんの撮影がとても好きなので、期待しながら鑑賞。

不条理ものである。細やかな救いはあるものの代償は大きく、見ていて辛い場面が多い。

今のように情報先行型の時代ではないので、登場人物たちはみな疑うことを知らない。それは搾取する側もされる側も同じだ。顔を合わせて初めて分かる事実の多さに複雑な気持ちを抱いた。情報があれば人は良くも悪くも賢くなり、この物語のような不条理さは減るだろう。しかし現代からは逆に素直さというものが失われているようにも思える。映画の本筋からは外れるが、そんなことを思いながら見ていた。

宮川一夫さんの撮影は本当に素晴らしい。今の時代にあんな風に撮れる技術はあるのだろうか。