あびる

山椒大夫のあびるのレビュー・感想・評価

山椒大夫(1954年製作の映画)
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「閉域」という主題 
中世の奴隷空間からの脱出を描き、人間の尊厳を問い直す。ネオリアリズム的溝口の演出はもちろんのこと、徹底した俯瞰のロングショットによる斜面を下る運動の積み重ねによって脱出を下降の運動に集約する手法も感動的で、カイエデュシネマの批評家たちが称賛するものをスクリーンで目撃できたことが喜ばしい。

安寿の死へと向かうシーンの水の静寂が忘れられない。
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