山椒大夫の作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「山椒大夫」に投稿された感想・評価

これ、何ていうか、すべてにおいて完璧な時代劇。のような印象を持った。とにかくカメラワークもすごいし、光と影の配色も絶妙すぎる。演技も迫真にせまっていたし、時代を映した不気味なシーンも満遍なく投入されていて、ストーリーの展開も抜群で食い入る様に画面を見つめていました。家の中の生活感がきちんと出ているのも凄い。
平安時代って、人を殺すことは悪いことなんて認識もないくらい、今とは考えられないくらい道徳観なんて存在していなかった。生きていくのにみんな必死だったわけで。その背景も画面からよく伝わってきたし、人身売買なんてホラー映画みたいな怖さがあった。
そしてラストシーンの情景は綺麗すぎて、もう衝撃的でした!
理不尽な浦島太郎…みたいなストーリー

湖シーンが際立ってきれいだった
森鴎外の大好きな作品。
短編とは思えない時の流れと、山椒大夫の不気味な怖さが印象深い。初めてこの小説を読み終えた時は、感動でしばらく茫然とさせられた。

溝口監督『山椒大夫』。平安時代末期、荘園領主山椒大夫に奴隷として従事する哀れな人々と、生き別れとなった母と兄妹(小説は姉)の悲哀が繊細に描かれています。

どの国、どの時代にも支配する側とされる側がある。
ある僧侶の「自分に災いが降りかからない限り誰も関心を持たない」という諦観した言葉が胸に刺さりました。

それでも父が残した言葉を胸に義憤から立ち上がる兄、厨子王の行動に心を打たれます。

そしてあのラストシーン。涙無しには観られません…
心に残る名作です。
まさ

まさの感想・評価

4.5
素晴らしすぎる。

初鑑賞でしたが、間違いなく傑作。溝口監督作品はこれで3作目の鑑賞であるが、どれも描いてることが深い…今作では特に人間の”残酷さ”、世の中の”不平等さ”など、恐ろしい現実が描かれる。

物語は急ぎ足に感じられた部分はあるものの、ラストが素晴らしすぎて、細かいことなど忘れるくらい満足のいく作品だった。とにかくラストは泣ける。
【読み方は「さんしょうだゆう」】
◉1954年度ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(溝口健二)受賞。
「山椒」までは読めるんだけど、「大夫」が読めなくてその都度ウィキった。「だゆう」「だゆう」「だゆう」…今度こそ覚えたぞ!
森鴎外原作、溝口健二監督作品。アメリカでいうとジョン・スタインベック原作でジョン・フォード監督作の「怒りの葡萄」的な感じ?いや、違うか。他にも色々例はあるけれど、言いたいことは巨匠による有名文学作品の映画化、ということ。
見始めると、全然「山椒大夫」が出てこなくて途中でその存在をすっかり忘れてしまった。やっと出てきて、「山椒大夫」ってこういう人なのね、っていうのが正直な感想。主人公ではないけれど、まぁ、彼によって物語はドラマチックになる。敢えて「山椒大夫」というタイトルが良い。一度見たら忘れられないタイトル(今まで読めなかったけれど)笑。
海や湖などの水面の映像が綺麗。水面がキラキラしていて、白黒だけどその神秘的な映像の素晴らしさが伝わってくる。
奴隷として売られた妹役の香川京子が可愛らしい。若いけれど目が大きく鼻がしっかりとしていて、昔の日本人女性にしては珍しい顔付き。少し堀北真希のような派手さはないけれど意志の強さを感じる。
すあま

すあまの感想・評価

4.3
ストーリーがシンプルで観やすい。
水辺が印象的なカットが多くて美しいかった。内容は辛いおはなし
ただただキツくてつらかった。ストーリーに入り込んでしまい、その、映像美だとかそういうのは自分にはわからずじまいで。老婆の祈りのカットは尊いと思いました。お父さんが原因で家族が離れ離れになり、またお父さんの教え(と形見)のおかげで家族が再会する。でもお父さんの教えをいちばん大切にしていた安寿が母に会えず死んでしまうという報われなさ。最初から最後までずっとしんどかったのでもう見たくないです…(小声)
Sari

Sariの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます


〈物語〉平安時代末期、農民を救うため将軍にたてついた平正氏が左遷された。
妻の玉木と厨子王、安寿の幼い兄妹は、正氏に会いに行く途中、越後国で人買いに騙され、離ればなれになってしまった。厨子王と安寿は、丹後国の苛烈な荘園領主・山椒大夫に売られ、奴隷としてこき使われるようになる。
やがて、成長したふたりは、荘園から脱走することを考えるようになった。そしてある日、安寿は厨子王に脱走をすすめる…




始めての溝口作品。
「山椒大夫」とは…
この時代は人の売買が行われており、丹後の国の山椒大夫に売られてきた人々は奴隷の様に過酷な労働を強いられ、病気で働けなくなった者は山に置き去りになどする冷酷な悪人の事。
ひとつひとつのシーンの描写がリアルで残酷で、この時代の人々の苦労を思い知り辛くなるシーンが続く。
安寿演じる香川京子さんが凛としてとても美しかったが、彼女が入水するシーンとその後の湖の波紋。このシーンは恐ろしいほど美しくおどろおどろしい。
出演シーンは少ないものの、玉木演じる田中絹代さんが売られた後、身体も不自由になって老いた姿は観るに耐えられず…
物語中盤からは号泣してしまった。
あのゴダールが「気狂いピエロ」で引用したとのラストシーンは、シンプルだがとても印象に残る美しいシーンだった。
この作品の強烈なインパクトは私にとってはゴダール以来で、映画を観た夜はなかなか眠れなかった。
(厨子王の子供時代は津川雅彦さんが演じており面影があった。香川京子さんの年齢が若かった為原作と異なり妹の設定だったが、凛として落ち着いていたので個人的には原作通り姉の設定で良かったのでは…と思ったりもした。森鴎外の原作もいつかは読んでみたい。)
さとう

さとうの感想・評価

4.5
雨月物語よりは禁欲的に思えるが、それはより細かく描いているからであって、決して衰えたわけではない。映画は短編小説に近いとヒッチコックは言ったが、本作はぴったり当てはまる
ubik

ubikの感想・評価

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うーん。いまいち乗れず。この映画では2度枝を折るのだけど、その2回とも俯瞰で撮られるので、分岐点なのがわかる。
水の撮り方がいい。めっちゃ綺麗に波紋が出てた。水辺で別れて、水辺で死に、水辺で再会する。再会後の最後のショットは水をうつすために移動する。
あとは、柱の使い方が上手かなぁ。柱が三分法に収まってる。
冒頭の石?みたいなあれはなにかわからず。ぼーっとしてたかな。