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コントラクト・キラーのaoiのレビュー・感想・評価

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
3.8
開始5分で構図の丁寧さにはっとさせられる。しかも嫌味がなく、この監督すきだなと思わされる。

居場所がなく、誰にも必要とされず、自殺を図るけれど、それすら上手くいかないので、男は殺し屋(コントラクト・キラー)に自分を殺すよう依頼しましたとさ。

色彩と表情の乏しい前半では、シニカルでビターなやりとりが続く。首に縄をつけたままガス自殺を図るシーンはシュールだし、殺し屋にわざわざ置き手紙するところは呆れて笑っちゃう。
「生きることは美しいぜ」なんて台詞吐いちゃう殺し屋たちも茶目っ気があって素敵。

ほんの些細な出来事や感情で、人は生きることに希望を見出せる。どうしても自分を大切にできない人は、誰かや何かのために生きるのもいいよね。
まじめに、清貧に、と生きることはただのレールでしかなく、息がつまるのも無理はない。時々ハメ外すから視野が広がるのに。
考えさせられるラストだったけれど、初日殺し屋が窓からターゲットを眺めていたシーンを思い出すと心に染みる。温かいような、もの悲しいような。


# 275/2018