「コントラクト・キラー」に投稿された感想・評価

人生に希望を見い出せなくなった主人公のアンリが自殺を決意し、殺し屋・”コントラクト・キラー"に自分を殺すことを依頼する。殺し屋の影が自分の周囲に現れはじめたそのとき、アンリは花売りの美女マーガレットと出会う。アンリが死を望んだ瞬間から、彼の運命が大きく方向を変えてゆく物語だ。

と書くと、この映画はシリアスな話みたいだが、むしろコメディ的な色彩が全編に漂っている。主人公のアンリをはじめ、どこかずれてる登場人物たちや状況が顔を出す。

アンリの運命が大きく方向転換する中で、アンリが持っていたずれや、アンリに関わる人々や状況の持つずれが少しずつ重なっていく。そのちょっとしたずれが重なり合い、つながることで、最後には主人公のアンリでさえも思っても見なかった地点へとたどり着く。

主人公のアンリの依頼通りに、アンリを殺そうとするコントラクト・キラーに追われるという緊迫感ある物語だ。だからこそ緊迫感の中にあるずれたところが、いっそうおかしさをもたらすのだろう。
アキ作品の中で8番目に鑑賞。
サスペンスファンが満足するかはわからなけど、
ハラハラあり、愛あり、情けありで
好き。

アキ作品を全て網羅したい。頑張ろうっと。
空気感がとても心地いい

首吊りに失敗して、ロープを引っ掛けたまま、部屋にガスを充満させて死のうとするけど、ガス会社のストのせいでそれも失敗して…
何でか知らないけど笑っちゃうんだよな
オープニングからいい予感

殺し屋の足音と革手袋しか出てこないと、これは苦手なサスペンス展開なの?とビクビクしていたのだけど
殺し屋の方の日常が徐々に映し出されていく、そしてその殺し屋に監督が殴られちゃう、とても映画的でいいなと思った

ヌーヴェルヴァーグをがんばって理解しようと色々観ていた頃は、ジャンピエールレオの魅力は正直それほどわからなかった
けど今この映画で気がつきました
会社に馴染めず 同僚たちとは違う席で食事している時の引きつった笑顔が最高だった
冒頭のシーンで机の上にあるエッフェル塔の置物はエッフェル塔に拘ったトリュフォーへのオマージュか、なんて深読みしてしまうくらい伝説降臨なオーラを放つジャン=ピエール・レオの登場に、わかっていても興奮してしまう。
カウリスマキがレオのファンで当て書きして脚本を書いたと言うように、レオが英語を話していてもレオにしか醸せない独特な空気をたっぷり堪能できる。
レオほど多彩な監督に惚れられ当て書きされた俳優はいないんじゃないか。
歩く、振り向く、持つ、見る、そんな些細な仕草ひとつひとつが魅力に直結してしまうレオ。監督に身振り手振りまで細かく演技指導をしてもらい、本番ではそれをコピーするだけだとレオは語っているが、役者の個性だけに止まらず監督の求める演技と自分の個性を絶妙な塩梅で体現できる奇跡のような役者なのかもしれない。

ただ機械的に生物としての機能を満たすため生命を維持していた人物が、人生の中年に差し掛かった時、強制的に歯車の燃料供給を停止させられてしまい、他の生き方を知らなかった人生を捨てるならばと生まれて初めての経験を通して「生」を全うするという本質を学んでいく。
人生の発見というベタな設定をこうもユーモラスに独特な空気で楽しませるのかと感心・・・する暇がないほどに始終面白い。

レオの個性とカウリスマキのテーマがこの上なくマッチしていて、笑いながら泣けるというような感情を一括りにできない感動がある。最高!
☆☆☆★

2010年10月2日 下高井戸京王
ハンバーガーを焼きながらペタペタ叩いてたとこがお気に入り🍔

このレビューはネタバレを含みます

自殺、殺し屋、恋、キャンセル
カウリスマキ、おれがやりたかったこと全部先にやっちゃってる。困った。
殺し屋の身の上が明らかになりだした時かなりワクワクした。
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