イチロヲ

エル・ゾンビ 死霊騎士団の誕生のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
旅の途中ではぐれた友人を捜すため、いわくつきの古城を訪れた男女2人組が、ブードゥー教の呪詛に縛られている騎士団の存在を知らされる。フランコ政権下のスペインで製作された、ダークファンタジー路線のゾンビ映画(今回は100分超の全長版で鑑賞)。

本作のゾンビは、中世の騎士団の姿として登場。本体はノロノロ歩きなのだが、馬にまたがった途端に高速移動を始めるという特質をもつ。「馬はどこから現れるのか?」という詮索は、あえてしないのが大人の対応。

ゾンビが映像に出ていないあいだは、女性主人公による捜索シークエンスがメイン。レズあり、サドあり、レイプありの見世物要素が備わっており、ゾンビを題材にした基盤部分とは、ほとんど無関係のエログロがサービス精神旺盛に挿入される。

ゾンビ騎士団の怪しい風貌、寂れた古城の心霊スポット感覚、マネキン工房の禍々しさなど、雰囲気作りを大事にしているところが好印象。恐怖演出に膝カックンな部分が多く、全体的にマヌケ度合いが高いけれども、そのすべてが愛おしくなってくるタイプ。
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