大量の銃器と軍医の娘が強奪されたことを受けて、賞金稼ぎの男(ジャンニ・ガルコ)とアメリカ騎兵隊からなる特殊チームが、メキシコの要塞を拠点にしている盗賊団に肉薄する。4人組パーティによる敵中突破を描いている、マカロニ・ウエスタン。
コーランを名乗る自称イスラム教徒の賞金稼ぎが、路頭に迷っているアメリカ騎兵隊に加担しながら、賞金首を追跡していく。映画マニアの間では、ガンブレラ(先端に銃を仕込んである傘)が伝説的アイテムとして語り継がれている。
マカロニ・ウエスタンが飽和状態に突入した時分の作品だが、"賞金稼ぎの生き方に感化される騎兵隊"というモチーフを取り入れつつ、両者の行動を対比させていく語り口が、絶妙な効果を上げている。スラップスティック調の格闘アクションも最高に面白い。
革命家気取りの傲慢な将軍、哲学者と呼ばれる戦術家のガンマンなど、敵対側のキャラクターに愛着が湧くところもマカロニならでは。歌舞伎のような様式美が構築されており、「これで良いんだよ」という安定感に満たされる。