春先、この映画の予告編を見た時には、堤真一・綾瀬はるかのキャストに「もう、公開初日に見ちゃうぞ!」ってくらい期待していたんだけど、その熱もSP革命編の残念な幕引きとともにトーンダウンし、結局は早めの昼食を食べるついでに観てしまった、という有様。たまにはポップコーンが昼食でもいいかな、くらいのノリでした。
さてさて当の映画ですが、事前に失望していた程つまらなくはなかったです。イージーなきらいはあるとはいえ、開始当初はバラバラに分散していた幾つかのストーリーが最終的に一つにまとまって行く様や、突拍子も無い人物設定ながら、最終的にはそれぞれに意味があるという点などは、観ていて安心するというか腑に落ちる。
少なくとも、昨今ありがちな、風呂敷だけやたら大きくて、結末がご都合主義ってなエセ大作よりも、ずっと観後感は爽快だった。
テーマも明確で、それがきちんとストーリーになぞられていた。まず語りたい事が先にありきのストーリーってのは、たとえそれがありきたりなテーマであっても安心するしすっきりする。
ただ、惜しむらくは、映画の内容が「プリンセストヨトミ」という、すこぶるキャッチーなタイトルから想像するものとは、ずいぶんと乖離していたこと。冒頭に貼付けた宣伝ポスターのデザイン、キャスト堤真一ってのと、予告編の作りや、「大阪全停止」なんてキャッチフレーズからからすれば、
「大阪沈黙」=しゃれにならんクーデターが発生
「プリンセス トヨトミ」=それを率いるジャンヌ・ダルク的存在、もしくはそれを阻止するもののけ姫的存在
「中井貴一が大阪国総理大臣」=善人そうな顔をしてるくせに、実は極悪非道で冷徹な革命家
みたいなもんを期待しちゃうもん。
でも、蓋をあければ単なるホームドラマ。
プリンセス トヨトミもただのしょんべんくさい女子中坊。
ビジュアル的な一番の見所は、綾瀬はるかのおっぱいという有様。絶対意図的に強調しているのは疑いの余地がない。僕自身、大きなおっぱいにはそれほど興味を抱かないんだけど、ここまで強調されるとついつい目がいってしまう。ま、悲しい男のさがですね。
