ピートロ

白い酋長のピートロのレビュー・感想・評価

白い酋長(1951年製作の映画)
3.9
ローマで挙式寸前に花嫁に逃げられた新郎。
この花嫁がかわいそうなくらいに頭が弱く笑えない…。
新郎も体面や体裁ばかりを気にするカス野郎であるが、胃が痛くなるようなその苦境自体には同情を禁じえず笑えない…。
テンポのいいコメディで面白いのに「笑えない」、そんななんとも不思議な気分になる作品だった(もちろんパーツとして笑えるギャグはいろいろあった。アルベルト・ソルディの気持ちいいくらいの軽薄さとか、ホテルの従業員が電話でのメモで「地獄」のスペルがわからないからちょっと待ってとか。主人公二人の性格・行動が「イタく」「笑えない」のだ)。
後半、ちょっとだけ登場する娼婦のカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)の天真爛漫が唯一の救い。