ひでやん

白い酋長のひでやんのレビュー・感想・評価

白い酋長(1951年製作の映画)
3.8
新婚旅行でローマにやって来た妻が、夫の隙を見て憧れの活劇スターに会いに行き、夢と現実を知るドタバタコメディ。フェリーニの単独監督デビュー作。

家の名誉を守り、分刻みのスケジュールで行動する夫は、ワンダにとって退屈な現実。連続活劇「白いシーク」の主演スターは、ワンダにとって心踊る夢の世界。

トラックに乗せられ、撮影現場に連れて行かれるワンダは、あれよあれよと夫から遠ざかる。親戚一同の対応に追われながら妻を心配する夫と夢見心地な妻ワンダの対比が可笑しい。監督の「笑うな!笑うんじゃねえ!」に笑った。

熱烈なファンだったスターは、それほどかっこよくないんだよね。ただの女たらしで嘘つき男。夢と現実は違うものだ。

妻の不在をごまかす夫が気の毒になり、こらワンダ、早く帰りなさいという気持ちになった。

途方に暮れ、涙する夫の前に女が現れる。ジュリエッタ・マシーナ登場!彼女の名は…

「カビリア」

後の名作「カビリアの夜」はここから始まったのかと思うと嬉しい予告だった。
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