けーはち

築地魚河岸三代目のけーはちのレビュー・感想・評価

築地魚河岸三代目(2008年製作の映画)
3.0
築地市場の移転問題。さんざん揉めた挙句、結局豊洲に移転するけど、一部築地に市場機能を戻すとか何だとか、両方立てようとして、誰得なもやっとした決着になりましたよね……?(突然の時事ネタ枕)

そんなわけで今回は『築地魚河岸三代目』。まずはタイトルをGoogleで画像検索してみる。カッと目を見開いた無表情の包丁男🔪のマンガが出て来るので閲覧注意。

https://www.google.co.jp/search?q=%E7%AF%89%E5%9C%B0%E9%AD%9A%E6%B2%B3%E5%B2%B8%E4%B8%89%E4%BB%A3%E7%9B%AE

これは別に恐怖のサイコキラーものではなく(原作の絵柄のせいで猟奇的に見えるコマがネタにされている)タイトル通り築地市場を舞台に繰り広げられる魚料理トリビア系のマンガ。本作はその実写映画化作品。

と言っても、主人公のサイコキラー、じゃなくて、三代目は元々しがないサラリーマンで、恋人=魚河岸の仲卸のお嬢さんと婚約して脱サラし、三代目としての修業を積み重ねる、といったところまでの原作序盤のシナリオが本作映画化されていて、お魚トリビアは特になし。

家族愛や恋愛ドラマに絡めて主人公のがむしゃらな努力と秘めた才覚が認められるという良くも悪くも邦画らしいベタな話の積み重ねではあるが、思いの外サラッとした演出、センスは古いもののジャジィでおしゃれな音楽、主演の大沢たかお&田中麗奈、脇役の伊東四朗ら演技巧者で持たせていて悪くない。

主人公のように脱サラして魚屋になる、という決断をするには、これでやっていけるという確信が必要なわけだけど、果たして市場移転、そして東京オリンピック、確信をもってやっていけるものなのでしょうか……?(突然の時事ネタ締め)