爆裂BOX

ダイナソー・クライシス3/ジュラシックウォーズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
陸軍の輸送トラックを強奪したテロリスト達。だが積荷は目当てのウランではなくバイオ生成された3体の恐竜カルノザウルスだった。奪還の秘密任務を与えられた陸軍特殊コマンド部隊はトラックが運び込まれた港の倉庫に向うが…というストーリー。
ロジャー・コーマン御大がハリー・アダム・ナイトの「恐竜クライシス」を映画化したシリーズ第三弾です。と言っても繋がってるのはバイオ生成された恐竜カルノザウルスという設定だけで、ストーリー上の繋がりは無いので単体でも楽しめます。3作目の今作ではひたすら港の倉庫とタンカーの中で陸軍コマンド部隊が恐竜とドンパチするというだけのシンプル極まりない物語ですが、冒頭から陸軍の輸送部隊をテロリストたちが襲撃して銃撃戦や爆発が繰り広げられますし、前二作から使い回されている恐竜の着ぐるみの粗を隠す為か、細かいカット割りや編集がテンポの良さを生み出しています。
本作に登場するのはヴェロキラプトル二体と下腹部がメタボ気味のティラノサウルス一体ですが、恐竜の全体像をあまり映さないようにしながら、襲い掛かる顔のアップや恐竜の主観視点映像などを入れてそれなりに迫力出している所は良いですね。一体が罠にかかっている間にもう一体が横から襲い掛かったり、兵士が貯蔵庫に入った瞬間扉閉めたりちょっとした知能プレイ見せてくれるのも良いですね。再生能力もっているので何発撃たれても中々倒れないしぶとさを持っています。ティラノに頭からかぶりつかれて喰いちぎられたり、腕喰いちぎられたり頭引きちぎられたりとちょっとしたグロ描写もあります。
主人公の大佐は冷静で堅物な典型的な軍人キャラって感じですね。部下思いではありますが。ヒロインの女博士は眼鏡美人ですが、隊員に犠牲が出ても強固に恐竜の捕獲主張して結構嫌な女です。終盤では眼鏡外しちゃいますが、逆に性格は良くなったな。他の登場人物では前作の「2」でお喋り技師のマンク演じてた俳優が同じくお喋りな隊員ポウチェック演じててキャラ立ってましたね。ポウチェックとよく絡む強気な女隊員プラウドフットもキャラは立ってたかな。その他のコマンド隊員や海兵隊員は正直キャラ薄かったですね。
博士が恐竜の説明してるときに「いいケツしてるぜ」「同意」と書いたメモこっそり回し合いっこしたり、捕獲のための罠設置してる最中に、危険な恐竜が徘徊してるというのにさぼって腕相撲大会始めたりと主人公以外どいつもこいつもバカ揃いですね。終盤でも主人公が制止してるのに恐竜の卵撃ちまくりますし。
クライマックスでティラノと対決するのがタンカーの中なのは「ロスト・ワールド/ジュラシックパーク」に対抗してなのか。今回はフォークリフトとの対決ではなく新撮のアクションシーンなのも良いですね。爆弾でティラノの頭部が吹っ飛ぶシーンは見応えありました。
序盤で重傷負いながら生き残り港湾警察に逮捕されたテロリストがラストのオチの為だけにパトカーにほったらかしなのは笑っちゃいました。
シリーズの中では一番普通に楽しめるモンスターアクションになっています。