86年に製作された、世界初のストリップ大会に賭けるストリッパーたちを追ったドキュメンタリー。自分探し、再起、自己表現、アート…それぞれの背景や動機がカメラに語られ、それは言わば女の履歴書。皆が地道にトレーニングに励み、趣向を凝らしたオリジナルの演出で優勝を狙う。もちろん大会を主催する組合含め、プロ意識とプライドがある。それを楽しむ男たちは何も知っちゃいないけれど。
普段の店から大会本番までパフォーマンス場面はたっぷりだが、裸が美しいのは当たり前でもはやセクシーでもなく、身体能力が高い競技アスリートを見るのに近かった。そして勝者と敗者の明暗がくっきりと。ドキュメンタリーはインタビュアーの存在やナレーション無しで大勢のストリッパーを記録し、大会後の後日談も僅かに示唆するだけ。客を捉えるのはステージからの視点で、男性目線はない。ウェットに盛り上げることもなく、やはりどこかスポーツライクで熱く爽やかな後味。ストリップにはこういうトレーニングが必要なのか！みたいな、知られざる裏側を教えられた。お客に爺さんが少なくないように、たぶん見る側は敢えてライヴなコミュニケイションを求めて来てるのかもしれない。
