回想シーンでご飯3杯いける

学校IIの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

学校II(1996年製作の映画)
3.2
山田洋次監督「学校」シリーズの2作目。前作同様、西田敏行が先生役で出演している物の、設定は全く別物。前作が夜間中学だったのに対し、本作は養護学校が舞台になっている。「学校」と聞いて僕達がイメージする中学校や普通高校ではない、敢えて言えば特別な学校を題材にしながら、そこから全ての学校教育に通じる、学ぶ事の大切さや、人間関係の大切さといった普遍的なテーマを描き出す本シリーズの真摯な姿勢には、感動を覚える。

西田敏行演じる竜先生は、前作の役どころに比べてベテランでしっかりした人物像。代わりに大学を出たばかりの新人教師を永瀬正敏が好演し、2人の比較や成長が見所になっている。

軽度から重度まで、様々な知的障がいを持つ生徒が登場するものの、具体的な障がいの名称は殆ど語られない。本作が公開された'96年の段階では、作る側も観る側も、まだ知的障がいに対する十分な知識を持っていなかったのかもしれない。この辺りの大雑把な描写は、現代の目線で見るとモヤモヤする部分があるものの、製作陣と役者の熱意は十分に伝わってくる。

因みに浜崎あゆみが女子高生役、安室奈美恵が本人役で出演している。