このレビューはネタバレを含みます
the art of getting by…
過程のアート…とでも言うべきかな。
インスタレーションアートを感じさせてくる、爽やかな作品でした。
年末の忙しさで作品を観る時間がなくて、久々にテレビの前でゆっくりしながら観てましたが…肩の力を抜いてくれる柔らかさのあるストーリーは個人的に好感触。
「全てが無駄なこと」
そう割り切ってしまっているジョージ。
彼の姿が、ぼんやりと私たちに重なる。
どうせこんなもんだ…
何をしたって同じだ…
それを視界に入らないようにして、それでも結局抱え持っていて…何かキラキラするもの、自分だけの大切なものへの欲求を内に秘めて過ごしてる。
いいことも、悪いことも…
なんでもない顔して、普通にやってくる。
できるのなら、いいことだけ選んでたい。
でも、そうは行かないのが人生。
ガムシャラなんて、カッコ悪いし面倒くさい…流されてる方が楽だし、平常でいられる。なのに苛立ってしまったりしてね。
でも…つまらなくなるよ。
何か、起きて欲しい。
心を動かす、自分が刺激される何かが。
それを探して彷徨ってる過程。
この茫洋とした感情。
誰もが同じように彷徨いながら…
何かを、誰かを、見つけていく。
カッコ悪い自分を曝け出せる何か。
思考の空白を埋める大切な何かを。
そっち側に行けば…カッコつけてる自分の方が、何倍もカッコ悪く思えるよね。
この言いようの無い、柔らかくて、弱々しい、ウブな感情のクオリアが心地いい。
やっぱり私はエマ・ロバーツ好きだなー。
何処か欠けてるトコがとても魅力的。
男女問わず、少しくすぐったい気持ちにさせてくれるんじゃないかな…ウブさが無くなったなんてさ、単に自己暗示で麻痺ってるだけだから。
自分から外側は、刺激で溢れてる。
空白に、妥協のない自分を描く。
今はまだ、その過程。
描き切れるといいな…