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Keikoのcのレビュー・感想・評価

Keiko(1979年製作の映画)
3.4
在日カナダ人監督による初長編作品『keiko』。
オープニングを見るだけで、この映画の主人公の女性であるケイコの日々の暮らしは分かってしまう。親元から離れ、小さな部屋で一人で慎ましく生活する23歳のケイコ。誰もが願うような、ささやかな幸せを彼女は願っているだけである。上手くいくわけでも、とんといかないわけでもない、そんな絶妙な塩梅の描かれ方をする彼女の生活や性格に、次第に寄り添っていく見方をせずにはいられない。
最後のワンシーンに、これでもかというくらい胸を打たれた。彼女の長年の友人であるかのような深い親愛の念が沸き起こるとともに、想像もつかぬ自分の行く末に優しげな肯定の気配が広がるのを感じた。
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