くわまんG

地獄のバスターズのくわまんGのレビュー・感想・評価

地獄のバスターズ(1976年製作の映画)
4.0
平和なドンパチを和やかに鑑賞して気持ち良く寝よう♪…と思ってたらちょっと違ってビックリした一本。

みどころ:
めちゃ渋オープニング
ドンパチボインチュドーン
ご都合のくせにガチ展開
無駄なしコンパクト

あらすじ:
ここはフランスの米軍基地、ナチスとぶつかる最前線。そんな地獄にも犯罪は起こる。命令違反常習犯、上官殺し、詐欺師、スリ、脱走兵…キャンプから刑務所へ、今日も選りすぐりのならず者を乗せて、軍警察の護送車はゆく。
ところが道中、空爆に遭遇。命を拾った囚人達は、混乱に乗じて警官を始末。ここに結成「地獄のバスターズ」!いざ進め!目指すは永世中立国、スイス…!

タランティーノのセンスに陰りが見え始めた『イングロリアスバスターズ』の元ネタですが、あれと違ってこちらは最短時間で必要な説明を済ませ、あとはひたすら火薬を使ってくれます。

どけどけーぃ!一流ろくでなし様のお通りよ!各々の外道スキルを発動させて、ファッ○ンナチスを大掃除してやんぜベイベー!そら射殺!あら刺殺!ほーら爆殺!断末魔と爆発音をBGMに、丘を越え口笛吹いて、アルペン踊りをさあヤッホーィ♪

ところが、“まともな人”アドルフの離脱で空気は一変。延々ヒャッハーしてるバスターズと違って、真面目に戦争を非難していた優等生(と精鋭)の退場は明らかに不条理であり、バカ笑いを封じられます。そして芽吹いた不穏は大きくなり…。

かったるいお説教の代わりに、不謹慎な爽快感と爆笑を提供してくれつつも、ちゃんと戦争映画の疲労感を備えてるんですねぇ。一筋の光を見せるラストもいいし、何より尺が短くていい。良し悪し誤算でした。