冷蔵庫とプリンター

私はゾンビと歩いた!の冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

私はゾンビと歩いた!(1943年製作の映画)
5.0
 ほぼ原題ままの邦題からも察せられる通り、今作はれっきとしたB級ホラー映画なのだが、凡百の映画よりはるかに高級に仕上がっていて恐れ入った。ジャックターナーのフィルモグラフィにおいても(ここではプロデューサーのヴァル・リュートンの名を記すべきかもしれないが)『キャットピープル』に比肩する大傑作だった。
 『ジェーンエア』を下敷きとした神秘的・超現実的ナラティブにも先駆性を感じるが、何よりも撮影がとにかく良いということに尽きる。ブードゥーの秘儀に加わるために草むらを抜けていく二人の女を捉えたショットの美しさ、聳え立つ門番(この男が何者であるかについては不思議なことに誰も何も言わない)、格子状の影が差す室内も素晴らしい。