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犬神の悪霊(たたり)のvizilakeのレビュー・感想・評価

犬神の悪霊(たたり)(1977年製作の映画)
5.0
『女囚701号 さそり』シリーズの伊藤俊也監督のもうひとつのカルト作品。。
1976年に公開された『オーメン』や『犬神家の一族』が巻き起こしたオカルトブームに肖って、翌年に発表された今作品は只の二番煎じとは思えぬ異様すぎる【へんてこホラー】に仕上がっている。。
不気味な音楽のタイトルバックから始まるオープニングは秀逸なホラーの雰囲気は醸し出しているが、、
その直後に描かれる2人の全裸美女の川遊びシーンとそれを覗き見ようとし誤って川に転落する大和田伸也の滑稽すぎる「ぷはーー」が折角の空気感を払拭する。。
これはあくまで序盤に起こる小さな破綻であり、それからも見事なまでに映画としての破綻が繰り広げられる。。
脚本に辻褄の合わない点が多く、終盤にいくに連れて映画の方向性が飛び散る。。
題材である【犬神】に対しても結局全貌が分からないまま終わる。。
、、と言うよりもそもそも監督自体も【犬神】を良く把握していないのだろう。。
その上で『女囚701号 さそり』で魅せた美術感覚をより増幅させている。。
この映画の最大の魅力はここにある。。
映画的な破綻と手作り感のある美術。。
カルトとして完璧な要素が詰まった作品である。。
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