Jeffrey

姉妹坂のJeffreyのレビュー・感想・評価

姉妹坂(1985年製作の映画)
3.0
「姉妹坂」

冒頭、京都で茶房を営む彩、茜、杏、藍の四姉妹。社交界ダンス、プロポーズ、フィアンセ、固い絆、雨の中の線路、喧嘩、病気、恋、写真、嫋やかな日々。今、ミステリアスに、甘美に彩れた物語が始まる…本作は昭和六〇年に制作、配給を東宝で大林宣彦が、紺野美沙子、浅野温子、沢口靖子、富田靖子を主演に監督した名作で、この度国内初のBD化され、購入して初鑑賞したが素晴らしい。アマプラで配信されていて、既に多くの人の目にも止まっているとは思うが、大山和栄の長編マンガで、小学館の「プチセブン」で昭和五十四第二十二号より六年間にわたり連載され、単行本は全十九巻である。廃盤のVHSしかなくて、なかなか見る機会がなかったがようやく見れた。正直大林作品他に全然面白い映画が沢山あるから、正直評価は普通になってしまう。しかしながら悪い映画ではない。ー度は見ていると思う。大林独特の画作りは健在だし、クライマックスのオチあーなるのかと正直驚いたし、桜並木の坂道の余韻ある大団円は素晴らしかった。


さて、物語は京都で茶房を営む彩、茜、杏、藍の四姉妹。ある日、杏は京扇子の老舗の御曹司、冬悟からプロポーズされた。だが彼女は、彼のフィアンセ毬子から四姉妹は本当の姉妹でないと告げられる…と簡単に説明するとこんな感じで、本当の姉妹よりも強く結ばれて、古都に萌える愛の心模様を華麗に映像で魅せた秀作である。いゃ〜、若き日の沢口靖子が可愛らしい。彼女と言えば「科捜研の女」で有名で、近年彼女のモノマネする女芸人も現れていたと記憶する。諒扮する尾美としのりと社交ダンスする場面の沢口のドレスアップがキュート。あのクローズアップの表情胸熱。一方で、ATG「家族ゲーム」で新人賞受賞した宮川一朗太とダンスをしていた宝大寺毬子扮する横山美樹のエキセントリックな容姿はインパクトある。これ誰も言わないけど、宮川は将棋の藤井聡太に似てて本作で、和服を着て茶道をするシーンなどもう瓜二つ。んで、浅野温子は相変わらずクールな女性を演じていた。そして前作の「さびしんぼう」では、ロングヘア姿の女子制服が似合っていた富田靖子はショートになっていて、いっそうボーイッシュで可愛らしいおてんば娘になっていた。
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