青山

娼婦ケティの青山のレビュー・感想・評価

娼婦ケティ(1976年製作の映画)
3.9

主人公のケティとその一家はアムステルダムに移住するが、酷い貧困から抜け出せない。娼婦の姉が家計を支え、ケティも染物工場に働きに出るが......。


バーホー先生オランダ時代の初期作。
前作『危険な愛』から続投でモニク・ヴァン・デ・ヴェンが主演、ルトガー・ハウアーも脇役で出てます。

バーホーベンの作品ではわりと通底して男社会の中で生きなければならない、だからこそ、体は売っても魂は強く気高い女たち(と醜い男たち)が描かれていますが、本作はそれが特に顕著。
引っ越してきて新しい仕事をはじめたら新人いびりに遭ってと冒頭から結構胸糞悪い体験をするケティですが、負けずに刃向かっていってくれるから嫌な気持ちになりすぎないんですよね。なんか応援しながら見ちゃってわりと前向きなエネルギーが湧いてくる感じ。
もちろんタイトルの通り娼婦になっていく流れとかはさすがにしんどいですけど、それでも強かに生きていく様がかっこよすぎました。
後半から出てくるルトガーハウアーはなんかやけにファンシーな格好してて笑えます。
こういう一人の人間の半生を描いたドラマって好きなのかもしんないっす。
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