BOB

娼婦ケティのBOBのレビュー・感想・評価

娼婦ケティ(1976年製作の映画)
3.8
ポール・ヴァーホーヴェン監督がオランダ時代に手掛けた歴史ロマンスドラマ。

「世の中全てお金ね」

新作『ベネデッタ』に向けて、ヴァーホーヴェン特集。

小ぶりだが良作。19世紀末アムステルダム。貧乏一家の娘ケティが娼婦から大富豪の妻になるまでの実話に基づく物語。

不屈の精神を持ち、厳しい世の中を逞しく生き抜いていくケティの姿に心揺さぶられた。「民衆を導く自由の女神」のように、強さと美しさを兼ね備えていた。新調した白紫色のドレス姿が美しく、見惚れてしまった。『ブラック・ブック』の主人公と共通点の多い女性像だった。

革命を歌う"ラ・マルセイエーズ"🇫🇷vs 国家への忠誠心を歌うオランダ国歌🇳🇱。

バーホーベン監督のリアリズム。嘘偽りない貧富描写・エログロ描写があった。怪しい液体・薬。ネズミ。糞尿。自慰。男性器の絵画。中でも、男性器の影絵からのレイプシーンは衝撃だった。

舞踏会でダンサー達が歌う。「品行方正とは?」「罪には罪の長所がある」

『ブレードランナー』『ヒッチャー』のルトガー・ハウアーが、ケティの恋人となる銀行マン役で出演。

「いい服を着ようがサルはサル、人間は人間だ」

78
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