中庭

娼婦ケティの中庭のレビュー・感想・評価

娼婦ケティ(1976年製作の映画)
2.6
ヴァーホーヴェンの初期オランダ時代で最も無垢なアイコンだったんじゃ。客を取り始める前のモニク・ヴァン・デ・ヴェン。
姉妹揃って老人に買われるという現実味のない体験をするときに天井の鏡とそこに写る光景を呆然と見上げていた少女は、その後客の家に上がりこむときなどしばしば天井を見つめるようになる。
さりげなく登場するダゲレオタイプの映画的装置としての役割に驚かされるし、工場時代の仲間が花火の明滅と共に生き絶える瞬間の映像の呼吸や、自然光の的確な使い方、ルトガー・ハウアーとの穏やかな時間など感傷的な演出も多いように思う。
某『天と地』を鑑賞した後のような不快感は無い。

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