つるみん

牛泥棒のつるみんのレビュー・感想・評価

牛泥棒(1943年製作の映画)
4.0
牛泥棒。この言葉だけで、どれだけ想像を膨らませる事ができるであろうか。

牛がいて、その牛を泥棒が盗んで……。など限度はあるがある程度、考えられると思う。

しかしこの映画、その考えを裏切る事になる。


この作品に対しイーストウッドが自分の好きな映画であり、映画作りの模範とすべき西部劇だと何度も語っていることは言うまでもない。
主に〝奴らを高く吊るせ!〟では冒頭のシーンで主人公が首吊りをさせられリンチと死刑について訴えかけるものだが、本作品を引用しているのがよくわかる。

これは現代にも通ずる事であり、大衆がいる状況での人間の下衆の心理や死刑という重い刑の取り返しのつかなくなる理不尽さを訴えかけている。

僕の大好きなユーザーのkiritoさんが〝十二人の怒れる男〟に通ずるものがあると仰っていました。
〝十二人の怒れる男〟のように大衆に同情するのではなく、まず疑いから入り自分の意見を持つ事が1番大事なのかもしれませんね。

人間の恐ろしさを見せられる作品でした。
つるみん

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