せーや

裏切りのサーカスのせーやのレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.5
年末年始には
難しい映画を…。

このレビューの流れ
【あらすじ→映画の見方→感想】
ちょっと長めですよ。

東西冷戦下、
英国とソ連は熾烈な情報戦を繰り広げていた。
そんな中、英国諜報部「サーカス」の内部に
ソ連KGBから送り込まれた二重スパイがいるという疑惑が浮上する。

スルメ映画の代表格。
一目見て気に入ってしまった私は
すでに4回、この映画を見てしまいました。
まあ~面白いですね。

今年はスパイ映画の年、なんて言われましたが
スパイの本質とは、ド派手なアクションではなく
こちらの静かで重厚で残酷なモノですよね。

まず、初見の方にお伝えしたいのは
この映画を一発で理解しようとしないこと。
初見で面白いと感じるのは、俳優の演技と
ラストの高揚感くらいです。
ですので、あまり力を入れず
「二重スパイの正体」と「大まかなストーリー」を
把握することを心がけましょう。

さて。初見が終わり、二度目の方。
一度目で気になったところ、
どういうことかわからなかったところ、
たくさんあると思います。
しかし、焦りは禁物です。
時間はたっぷりありますから。
ですので、今回は少しだけ集中して
「登場人物」と「少し深いストーリー展開」を
把握することを心がけましょう。

さて。二度目が終わり、三度目の方。
登場人物もある程度把握し、
ストーリーの流れが掴めてきたはずです。
しかし、まだまだ理解できないところはたくさん。
だいぶ焦っているんじゃないでしょうか。
しかし落ち着きましょう。
まだまだ楽しめるはずです。
ですので、今回は画面にのめりこんで
「真犯人と登場人物の関係」と「過去と現在の関係」を
把握することを心がけましょう。
過去と現在がわかりづらいよ!という方は
スマイリーの眼鏡の違いで見分けましょう。

さて。三度目も終わり、四度目の方。
登場人物の名前と顔、暗号名が一致し
ストーリーも大分わかってきたはずです。
ここからは、深海に潜っていきましょう。
ですので、今回は画面に入り込んで
「スマイリーと真犯人と黒幕」と「スマイリーの思い」を
把握することを心がけましょう。

四回見ると、だいぶ理解できます。
この間に原作を読んでおくと、なお良いでしょう。

五回目はストーリーだけでなく
スマイリーや登場人物の細かな仕草に
物語の本質が見えてくるかもしれません。

主人公は老いた熟練スパイ、スマイリー。
サーカスのリーダー、コントロールと共に
サーカスを引退することになります。
しかしスマイリーは「二重スパイ」の存在を知り
自身とコントロールの遺した「遺産」を清算するため
二重スパイを明らかにすることを余儀なくされます。

スマイリーは二重スパイを知るまでの
およそ20分もの間、全くセリフがありません。
彼の表情を読み解くことが重要になります。
スマイリーは非常に冷静な男です。
滅多に表情を変えることはありません。
しかしその彼が感情を表すときこそ
物語の重要なシーンなのです。

この映画ではイギリス人のプライドが問われます。
「戦時中はイギリス人がプライドを持てた時代」
というセリフがあったように
イギリス人は東西冷戦の中で「英国人」であることの「誇り」を失っていくのです。

ソ連がイギリスに二重スパイを送り込んだ理由。
それはソ連がイギリスを警戒していたからか?
答えは何とも皮肉なものでした。

そしてピーター・ギラムや
ビル・ヘイドンの恋愛面にも注目。
この映画は、そういう映画だったのかもしれません。

キャストは英国の名優が勢揃い。
彼らの細かな演技に注目です。

見れば見るほど面白い。
ぜひ、この年末年始の穏やかな時間に
ガキの使いではなく、こちらを御覧あれ。